ネットワークビジネスとねずみ講、その決定的な5つの違いとは

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# タイトル: ネットワークビジネスとねずみ講、その決定的な5つの違いとは

「ネットワークビジネス」と「ねずみ講」。耳にしたことはあっても、両者の明確な違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、ネットワークビジネスとねずみ講の決定的な5つの違いについて解説します。

## 1. 法的な位置づけの違い

最も重要な違いは法的な位置づけです。ねずみ講は「無限連鎖講の防止に関する法律」によって明確に禁止されています。一方、ネットワークビジネス(MLM:マルチレベルマーケティング)は、特定商取引法によって規制されていますが、合法的なビジネスとして認められています。

適切に運営されているネットワークビジネスは、消費者庁や経済産業省の監督下にあり、法令遵守を求められています。これは両者を区別する最も基本的な点です。

## 2. 商品やサービスの有無

ねずみ講には実質的な商品やサービスがありません。単にお金を払って新しい参加者を勧誘し、その新しい参加者からのお金を上位者に還元するだけのシステムです。

対照的に、正当なネットワークビジネスでは、化粧品、健康食品、日用品など、実際の商品やサービスの販売を基盤としています。アムウェイ、ニュースキン、フォーエバーリビングプロダクツなどが代表的な企業です。これらの商品には実際の価値があり、消費者に使用される実体があります。

## 3. 収入源の違い

ねずみ講の収入は単純に新規加入者から集めたお金だけです。持続的な製品販売からの収入はなく、新しい参加者がいなくなれば、システムは崩壊します。

一方、ネットワークビジネスの収入源は主に二つあります:
– 自分自身による製品販売からの直接収入
– 自分が構築した販売組織の実績に基づくボーナス

つまり、継続的な収入を得るためには、実際の商品販売が必要不可欠です。

## 4. ビジネスモデルの持続可能性

ねずみ講は数学的に破綻することが証明されています。例えば、1人が5人を勧誘し、その5人がさらに各5人ずつ勧誘すると仮定すると、13段階で地球の人口を超えてしまいます。

対照的に、健全なネットワークビジネスは実際の商品やサービスの販売に基づいているため、理論上は持続可能です。製品に価値があり、顧客がそれを必要としている限り、ビジネスは継続できます。

## 5. トレーニングと教育の方向性

ねずみ講では、主に「どうやって他の人を勧誘するか」だけに焦点を当てた教育が行われます。実質的なスキル向上や自己成長につながる教育はほとんどありません。

一方、正当なネットワークビジネスでは、製品知識、セールススキル、リーダーシップ、コミュニケーション能力など、ビジネスパーソンとしての総合的なスキルを学ぶ機会が提供されることが多いです。米国直接販売協会(DSA)やその日本版である日本直接販売協会(JDSA)に加盟している企業は、こうした教育に力を入れています。

## まとめ

法的な位置づけ、商品の有無、収入源、持続可能性、教育の方向性など、ネットワークビジネスとねずみ講には明確な違いがあります。ただし、中には「ネットワークビジネス」を名乗りながら、実質的にねずみ講に近い運営をしている悪質な事例も存在します。

ビジネスに参加する際は、以下のような点に注意しましょう:
– 実際に価値のある商品やサービスが存在するか
– 収入の大部分が勧誘報酬ではなく商品販売から得られるか
– 過度な初期投資や在庫の押し付けがないか
– 誇大な収入の約束をしていないか
– 公的な認可や業界団体への加盟状況

これらのポイントを確認することで、健全なビジネスと怪しいスキームを見分けることができるでしょう。

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